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個人事業主から法人化するメリット・デメリット

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個人事業主から法人化するメリット・デメリット

3月も半ばを過ぎたこの時期、個人事業主の方は確定申告をされていることでしょう。
この1年で所得(年商から必要経費を引いた残り)が増えた方は税負担も増えますので、法人化(法人成り)を考えるひとつのきっかけになるかもしれません。

今回は、個人事業主から法人化するメリット・デメリットについて、資本金の額等が1億円以下の法人を前提に、所得にかかる税金の部分を中心に説明します。

個人事業主と法人の税率比較

個人事業主は所得に対する税金、法人は法人所得に対する税金と社長の報酬に対する税金を合計したものと比較することになります。
法人化することによって個人事業主の所得は、法人所得と給与所得(社長の報酬)の二つに課税単位が分かれるからです。

所得税は累進課税で、住民税を合わせると15%から55%の税率※1です。
したがって、所得が増えれば税率も高くなります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円~330万円以下 10% 97,500円
330万円~695万円以下 20% 427,500円
695万円~900万円以下 23% 63万6,000円
900万円~1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円~4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

引用:【国税庁】(平成27年分以降)所得税の速算表

※1 令和19年12月31日まで復興特別所得税(所得税額2.1%)が上乗せされます。

一方、法人税は規模等により多少の税率に変更はありますが、実効税率(法人の実質的な税負担率)は30%程度です。
所得が高くなれば、法人化を検討するタイミングとなりそうです。

給与に対する税金比較

法人化により、事業主への給与は社長の報酬として支払われますが、給与すべてに税金がかかるのではなく、給与から一定の額を控除し(給与所得控除)、その残りに所得税がかかる仕組みになっています。
この給与所得控除の分、個人事業主より税負担が少なくなります。

また、法人化して家族に役員や従業員として働いてもらい、仕事の内容に見合った役員報酬や従業員給与を支払うことで所得の分散ができ、税負担をおさえることもできるのです。

個人事業主は配偶者や親族に対して「青色専従者給与」や「事業専従者控除」として給与を支払い必要経費にすることは可能ですが、事前の届出や従事期間、支給金額、配偶者控除や扶養控除が受けられなくなるなどの制約があります。

消費税の取り扱い

法人化の際、所得に対する税金のほか消費税の取り扱いについても検討が必要になります。ここではポイントを簡単に説明します。

資本金が1,000万円未満の法人は、原則として法人設立から2期目の事業年度まで消費税が免除されます。
そのため個人事業主が消費税の納税義務者であった場合には、法人化することで、最大2年分の消費税が節税になる可能性があります。

ただし、一定の要件を満たす場合には設立初年度から納税義務が免除されないことがありますので注意が必要です。法人化を検討する場合は、税理士に相談してみましょう。

青色欠損金を10年繰り越しできる

繰越欠損金制度は、税務上の欠損金が生じた場合、翌期以降の所得と相殺できる制度です。
当期の決算が赤字になった場合、翌期以降の費用(損金)として使用できるのです。

業績がずっと良ければ問題はありませんが、事業を行う上で利益がでるときもあれば、損失がでるときもあります。

大きな損失がでた場合、個人事業主は3年間の利益でしか相殺できませんが、法人の場合は10年間繰り越せるため、損失を使いきれないリスクは少なくなります。

最後に

法人化については、このほか退職金や生命保険、交際費など必要経費の扱いの違い、事業承継対策にもなるといった税務面での検討も必要です。

そのほか社会保険加入が必要である、社会的信用度の面、設立費用や登記費用などがかかること、決算期が選択可能といった点なども判断材料となります。

辻・本郷 税理士法人では、法人化をサポートする専門チーム(会社設立センター)があります。お気軽にお問い合わせください。

執筆担当:福岡事務所 立川 祐子
【参考】辻・本郷 税理士法人の広報誌『SCOPE』掲載記事
・9月号(No.231) P8「フリーランスはいつ法人化する?(1)〈所得税〉
・10月号(No.232) P8「フリーランスはいつ法人化する?(2)〈消費税〉

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