資産と費用、どう区分する?
経理や総務など、企業の固定資産に携わる方は、ある支出が資産計上すべきものなのか、それとも費用処理すべきものなのかを、一度は検討されたことがあるのではないでしょうか。
しかし、その区分は明確なものではないので、会計処理や税務上の取り扱いを税理士に相談された経験がある方も多いかと思います。
ここでは、資産と費用の区分について、基本的な取り扱いをご紹介します。
資産の取得原価
資産の取得に関する支出のうち、下記は原則として取得原価に含めて資産計上されます。
- ①資産の購入対価
- ②付随費用
上記①は購入した資産の金額になります。また、②は引取運賃や、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などのほか、据え付け費などの事業供用のために直接要した費用のことを指します。
なお、どこまでの支出を付随費用と考えるかは例示にとどまり、判断は各企業に委ねられていると解釈できます。税務調査が来たときに説明ができるよう、意識して整理する必要があります。
取得原価に含めなくてもよい付随費用
資産に関係する支出でも、次のようなものについては取得価額とせず、発生時に全額費用処理することができます。
事業供用にあたって、直接的に使ったわけではないものと考えるとイメージしやすいかもしれません。
なお、「できる」という規定になっていることから、固定資産の取得原価に含める処理も当然容認されます。
- ①不動産取得税や自動車取得税
- ②登録免許税や登記費用
- ③建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等で、その建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用
- ④いったん結んだ減価償却資産の取得に関する契約を解除して、他の減価償却資産を取得することにした場合に支出する違約金など
まとめ
実務上は、このような例示にぴったりあてはまる事例は少ないかもしれません。しかし、取得原価への算入要否に検討の余地があることを知っておけば、早期の費用処理ができ、節税につながることもあります。
資産を購入したときは、費用に注意しましょう。
法人ソリューショングループ 小山 陽平

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