辻・本郷 税理士法人
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少額な固定資産の法人税法の取り扱い

  • 法人税

貸借対照表の見方

申告期限が延長されていた確定申告が落ち着いたのも束の間、次は3月決算法人の申告期限が迫ってきます。
日本は国の会計年度が4月から3月と定められており、これに合わせて3月決算を採用している法人が多くあります。

今回は備品などの少額な固定資産の税務上の取り扱いについてご説明します。
決算に向けてご参考にしていただけると幸いです。

法人税法上の固定資産の考え方

よく高額な資産や物品を買っても一度で経費に落ちないという話を耳にされる方も多いと思います。
それはなぜかというと、法人税法上は購入単価が10万円以上(税込経理を採用している場合には税込金額、税抜経理を採用している場合には税抜金額で判断)となる資産を購入した場合には減価償却を通じて経費化しましょうと定めています。

減価償却とは時の経過に応じた、資産の価値減少額を減価償却費として計上していくものになります。

例えば、パソコンの場合は4年、事務机の場合は金属製のもので15年、その他の構造のもので8年かけて経費化しなければなりません。
こうなると、固定資産の管理(決算日時点で使用しているか、廃棄したかなど)や減価償却費の計算のために多くの手間や時間がかかります。
そこでこのような手間を省くために法人税法上では次のような特例規定を定めています。

中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例

この特例は原則、決算日において※1資本金が1億円以下の青色申告法人が適用できます。
特例の内容ですが、購入した固定資産の単価が10万円以上30万円未満であれば減価償却を省略して一時に経費処理を認めるというものです。

なお、この特例は上限が定められており、一時に経費処理できる金額は年間で合計300万円までとされています(購入単価が10万円以上30万円未満の固定資産に係る購入金額の積み重ねが300万円を超えることができないというイメージです)。

※1 資本金が1億円以下であっても次の法人はこの特例を受けることができません。

1. 常時使用する従業員が500人超である場合
2. 過去3年間の所得金額の年平均額が15億円を超える法人
3. 発行済株式の2分の1以上を資本金が1億円超の同一の法人に所有されている場合
4. 発行済株式の3分の2以上を資本金が1億円超の複数の法人に所有をされている場合

減価償却を省略して一時に経費処理できることは大きなメリットになりますが、償却資産税の課税対象となり、償却資産としての管理は必要となるので、この点はご留意ください。

償却資産税とは、1月1日時点で保有している償却資産に課税される税金です。

不動産や自動車については固定資産税、自動車税が課税されるので償却資産税の課税対象とはなりません。

一括償却資産の特例

この特例の内容ですが、購入した固定資産の単価が10万円以上20万円未満であるものが対象となり、購入金額を3年間に均等に分けて経費化するものです。
仮にパソコンの場合は原則4年間かけて経費化してきますが、1年早く経費化することができます。

大体の固定資産の減価償却期間は3年より長いので早めに経費化したいときにはお勧めの特例です。

なお、この特例は決算日において資本金の額が1億円超である法人または白色申告法人であっても適用ができます。
また、少額減価償却資産の特例を受ける資産は、償却資産税の課税対象になるとご説明しましたが、一括償却資産の特例を受ける資産は償却資産税の課税対象となりません。

まとめ

今回は購入単価が30万円未満である固定資産の特例についてご説明させていただきました。

なお、特例を受ける場合には会社の個々の決算状況に応じた適用判断、法人税申告書に特例を受ける旨を記載した書類の添付が必要となります。
適用要件の判断を誤れば税務署からの指摘に繋がりかねませんので、詳しく特例の適用についてご検討をされたい方はご遠慮なく当法人までご連絡ください!

執筆担当:横浜事務所 伊藤 大輝

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