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1月中に提出を!3つの税務手続き

  • 国税・地方税

1月中に提出を!3つの税務手続き

年明けは税金に関する業務が多くあります。
代表的なものは所得税の確定申告ですが、このほかにも会社で手続きが必要となる税金の業務があることはご存知でしょうか。
今回は経理担当者の方に向けて、1月中に提出が必要な税務手続きをご紹介いたします。

【1】給与支払報告書の提出

まず1つ目が、給与支払報告書の提出です。こちらは年末調整の計算が完了した後に必要となる業務です。

必要となる書類は、社員(役員を含みます。以下同様)の方がお住まいの自治体ごとの総括表と、給与支払報告書になります。
給与支払報告書に記載する項目は、基本的に源泉徴収票と同じです。

支払報告書

提出先は社員の方がお住いの自治体(市区町村)となり、窓口へ提出するか、書面で郵送するか、あるいはeLTAX(地方税ポータルシステム)を利用して電子申告することが可能です。

この書類を自治体に提出しなければ、社員の個人住民税の計算が漏れてしまうことになり、適切に個人住民税を納付できなくなります。
社員個人の税金に関することですので、しっかりと手続きは済ませたいものです。

住民税の徴収方法

住民税の徴収方法は2通りあります。
給与支給時に住民税を徴収し会社が個人住民税を納付する特別徴収と、会社が個人住民税を徴収せず、社員個人で個人住民税を納付する普通徴収があり、給与支払報告書の提出時にどちらを選択するかを決定します。

ただし、自治体側で特別徴収を奨励していることもあり、原則は特別徴収のみの選択となります。どちらを選ぶか、個人住民税の徴収方法の選択に誤りがないように十分注意する必要があります。

特別徴収
(市区町村推奨)
会社が給与支給時に住民税を徴収し、個人住民税を納付する
普通徴収 会社が個人住民税を徴収せず、社員個人で個人住民税を納付する

普通徴収を選択するには?

普通徴収を選択するには一定の要件を満たす必要があります。
一定の要件として、次のものがあげられます。すべての要件を満たす必要はなく、いずれかの要件を満たせば普通徴収を選択できます。

  • 1.総従業員数が2名以下(総従業員数が2名超であっても、以下2~6の要件を満たす方を総従業員数から差し引き、2名以下となる場合も適用可能です)
  • 2.他の会社で特別徴収を受けている
  • 3.給与が少なく税額が引けない
  • 4.給与の支払いが不定期(例として、給与の支払が毎月でない場合)
  • 5.事業専従者(個人事業主限定)
  • 6.退職者または退職予定者(5月末日までに退職予定の方)

【2】給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の提出

支払合計調書

2つ目は、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の提出です。

用意すべき書類の代表的なものは以下の4点です。

  • 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(税務署から郵送されてきます)
  • 給与所得の源泉徴収票(税務署提出用)
  • 報酬、料金、契約金および賞金の支払調書
  • 不動産の使用料等の支払調書

提出先は所轄の税務署となり、書面で郵送して提出するか、e-Tax(国税電子申告・納税システム)により電子申告することが可能です。

給与所得の源泉徴収票は全社員分を提出するのではなく、次のいずれかの要件を満たす方の分のみを提出する必要があります。

1.年末調整をした方の場合

  • ①役員でその年中の給与支払額(賞与含む。以下同様)が150万円を超える方
  • ②弁護士、司法書士、税理士等については、その年中の給与支払額が250万円を超える方
  • ③ ①、②以外の方でその年中の給与支払額が500万円を超える方

2.年末調整をしなかった方の場合

こちらについては件数が多くなるかもしれませんが、対象となる方を集計して税務署に提出しましょう。

  • ①給与所得者の扶養控除等申告書を提出した方で、その年中に退職し令和3年中の給与支払額が250万円を超える方(役員については50万円を超える方)
  • ②給与所得者の扶養控除等申告書を提出した方で、その年中の給与支払額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかった方
  • ③給与所得者の扶養控除等申告書を提出しなかった方で、その年中の給与支払額が50万円を超える方

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表

次に「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」ですが、この報酬に含まれるものとして代表的なものが弁護士、司法書士、税理士に支払う報酬があげられます。

その年中に支払った報酬金額および報酬から徴収した所得税を集計する必要がありますが、こちらもすべての報酬に係る支払調書を税務署に提出する必要はありません。提出の対象となる報酬は、その年中に支払った報酬金額が5万円を超える場合※1 です。

このほかにも外交員、集金人やホステスに支払う報酬についても支払調書を作成する必要があります。提出するか否かの判断をする基準も異りますので、詳細は国税庁のタックスアンサーをご確認ください。

※1)5万円を超えるかどうかの判断は原則税込金額で判断しますが、請求書等で報酬金額と消費税が明確に区分されている場合には税抜金額で判断をしても差支えないこととされています。

不動産の使用料等の支払調書合計表

「不動産の使用料等の支払調書合計表」は、その名の通り土地の地代や建物の家賃を集計する必要があります。不動産には船舶、航空機も含まれますが、今回は説明を割愛させていただきます。

こちらも年中に支払った地代家賃を集計する必要がありますが、税務署に提出する支払調書の範囲は、同じ人物に対するその年中の地代家賃が15万円を超える場合※2 ですが、貸主が法人の場合には提出が必要ありません。

貸主が法人ので提出が必要な場合は、権利金や更新料等を支払った時のみです。

また、通常の地代家賃のほか、次のような支出金も不動産の使用料に含まれますので、ご注意ください。

  • 不動産の賃借に伴って支払われる権利金(返還を要しない敷金など)、礼金
  • 契約期間の満了に伴い支払われる更新料、承諾料
  • 借地権や借家権を譲り受けた場合に地主や家主に支払われる名義書換料

※2)15万円を超えるかどうかの判断は原則税込金額で判断しますが、請求書等で報酬金額と消費税が明確に区分されている場合には税抜金額で判断をしても差支えないこととされています。

【3】償却資産申告書の提出

償却資産申告書

3つ目は、償却資産申告書の提出です。
これは、自治体が償却資産税を課税するために納税者に提出を義務付けています。
償却資産税とは固定資産税が課税されない資産(工具器具備品や構築物、機械装置など)に対して課税される税金をいいます。
必要になる書類は償却資産申告書のみです。

申告書の提出先は償却資産が所在している自治体となり、書面で郵送して提出するか、eLTAXなどを利用して電子申告することが可能です。

なお、土地、建物以外のすべての資産について償却資産税が課税されるのかというと、そうではありません。
償却資産の申告は会計処理と連動する点が多いので、申告が必要となる資産を会計処理ごとにまとめます。

償却資産申告のポイント

  • 土地、建物以外で資産計上処理をしたものは償却資産税の課税対象です。
  • 取得単価が10万円未満の備品等で一括費用処理したものは非課税です。
  • 取得単価が10万円以上20万円未満の備品等で、いわゆる一括償却資産として会計処理したものは非課税です。
  • 取得単価が10万円以上30万円未満の備品等で、いわゆる中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例により、一括費用処理しているものは償却資産税の課税対象です。こちらは会計上には資産として残りませんが、償却資産税の計算上は資産として残り続けることになりますので注意してください。

内装工事費用は償却資産税の課税対象か?

償却資産税に関して、よくある疑問に「内装工事費用は償却資産税の課税対象か非課税か」があります。

内装工事費用は建物に関する工事ですので、固定資産税の課税対象となり、償却資産税は非課税となるのでは、と考えることができます。
この場合は、内装工事を施した建物が自己所有の場合には償却資産税が非課税となる場合があります。工事内容により課税、非課税の判断が異なります。

なお、内装工事を施した建物が賃借している建物の場合だと原則賃借人の償却資産として償却資産税の課税対象となります。
内装工事は金額が大きくなる場合が多く、申告が漏れてしまうと後になって多額の追徴課税をされてしまうリスクがありますので、注意が必要です。

おわりに

以上のとおり、給与支払報告書、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表、償却資産申告書提出が1月中に手続きが必要となる業務になります。
いずれの手続きも年に一度の業務なので、業務の進め方を忘れてしまうことがあるかもしれませんが、今回の記事で参考になることがありましたら幸いです。

執筆担当:横浜事務所 伊藤 大輝

<参考サイト>
【国税庁】タックスアンサー 法定調書 No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

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