辻・本郷 税理士法人
English

メールお問い合わせ

検索する

令和4年度税制改正大綱からみる、2022年に施行される税制

  • 消費税
  • 所得税
  • 法人税
  • 国税・地方税

税制改正について

あけましておめでとうございます。本年も、税務トピックスを通じてみなさまに役立つ話題をお届けします。

本年最初の税務トピックスでは、昨年12月10日に公表された令和4年税制改正大綱をもとに、2022年に施行される税制について解説します。

税制施行までのスケジュール

日本には法人税、所得税等さまざまな税金がありますが、これらの税制は毎年社会情勢等に応じて制度の見直しが議論され、改正が行われています。例年のスケジュールは、以下の通りです。

9月 各府省庁より税制改正要望を提出
12月 与党税制改正調査会より税制改正大綱発表
→閣議決定
1月~ 財務省、総務省より改正法案を国会に提出
→審議、法案成立
4月以降 新しい税制施行

令和4年度税制改正大綱

今年度も12月10日(金)に自由民主党・公明党から「令和4年度税制改正大綱」が公表されました。税制改正大綱から、令和4年度の税制改正の方針や具体的な内容を知ることができます。
令和4年度の税制改正は、どのような方針で、どのような税制が施行されるのか、以下におもな項目をまとめました。

改正内容の詳細は、当法人の「【速報】令和4年度(2022年度)税制改正大綱」をご確認ください。

キーワードは「成長と分配の好循環の実現」「コロナ後の新しい社会の開拓」

2021年10月の岸田政権発足時に打ち出された2つのキーワードが、今回の税制改正大綱にも反映されています。法人税課税、個人所得税課税について掘り下げて見てみましょう。

法人税課税

法人税課税

法人税では、積極的な賃上げを促す「賃上げ促進税制」やスタートアップ企業と既存企業が協働する「オープンイノベーション税制」の見直しがありました。
加えて、地方を活性化し、地方でのネットワーク整備の加速させる観点から「5G導入促進税制」の見直しがありました。

日本の賃金水準は30年以上にわたりほぼ横ばいの状態にあります。

その要因として、他の先進国に比べ、企業が人的資源も含め投資に消極的で、イノベーションよりも経費削減や値上げに力を入れる傾向にあったことにより、経済全体の規模が縮小している状況にあります。
そこで、状況改善に向けては以下のような好循環を生み出すことを目指す背景があります。

  • 企業が果敢に事業の革新に取り組む
  • 前向きな投資や賃上げを行い、付加価値の高い製品・サービスを生み出す
  • 販売価格を上げて利益を出し、利益を従業員、取引先、地域社会などに還元をしていく

やはり利用が多く見込まれるのは、「賃上げ促進税制」ではないかと思います。
賃上げ促進税制は、増加した給与額に一定割合をかけた金額を税額控除できる制度です。

適用を受けられるかどうかは、大企業と中小企業とで要件が異なります。
大企業の場合、適用を受けるには、継続雇用者の給与を一定割合増加させることが要件となっています。大企業の中でも一定の法人は、マルチステークホルダーに配慮した経営への取り組みの宣言を行うことが必要となりました。

税額控除できる一定割合については、給与や教育訓練費を増加させて、決められた要件を満たした場合、増加した給与額にかける一定割合に上乗せが加わり、税額控除額が大きくなります。

個人の所得課税

個人の所得課税

個人の所得課税では、「住宅ローン控除」「大口株主等の要件」の見直しがありました。

住宅ローン控除の見直しについて

住宅ローン控除の改正は気になる方が多いのではないでしょうか。
ローン返済の利息の支払い額よりも控除額が多い状態で、いわゆる逆ザヤ状態が問題視されていました。
今回の改正で控除率が1%から0.7%に減少し、所得要件も3,000万円から2,000万円以下となり、増税の改正となります。

なお、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指すため、省エネ性能の高い認定住宅等については、住宅ローン控除の借入限度額を増額、控除期間も13年と優遇されます。

また、個人課税については、多様で柔軟な働き方の拡大をうけて、働く意欲を阻害することなく、公平かつ働き方に中立的な税制を構築していくことを目指しています。

大口株主等の要件見直しについて

高額所得者層は、金融所得等の税額負担が低いということがかねてから指摘されています。
金融所得の課税については見直しの議論が行われている一方、一般投資家が投資しやすい環境を損なわないことにも配慮をする必要があり、今回の改正では、総合課税となる上場株式等に係る配当所得等の大口株主等の判定が見直しとなりました。

また、平成27年(2015年)税制改正で創設された、財産債務調書制度についても見直されます。総資産10億円以上の方は、所得に関係なく財産債務調書の提出対象者になります。

その他 電子帳簿保存法、消費税

上記のほか、電子帳簿保存法の電子取引の電子保存の義務化については、令和4年1月1日から施行予定でしたが、急遽2年間の猶予期間が設けられることになりました

消費税では、令和5年(2023年)10月に消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)が施行される予定です。適格請求書発行事業者への登録はすでに始まっており、令和4年は適格請求書発行事業者への登録や請求書のフォーマットの整備など、インボイス制度への対応をしていく必要があります。

まとめ

令和4年度の税制改正は、上記の他にもさまざまな項目があります。何がかわるのか、詳細もぜひご覧いただければと思います。

当法人では所属税理士の解説による税制改正Webセミナーを2022年1月25日に開催いたします。
前日の1月24日17:00までご参加を受け付けております。ぜひセミナーページよりお申込みください。

執筆担当:北九州事務所 江原 里恵

<参考サイト>
【自由民主党】令和4年度税制改正大綱 

お気軽にお問い合わせください

「まずは話だけでも聞いてもらいたい」「相談内容が正しいかわからない」
迷っているならまずは軽い気持ちで構いません。
お悩み、ご相談内容をお聞かせください。

0120-730-706

9:00~17:30(土日・祝日・年末年始除く)

メールでお問い合わせ