宗教法人が行うべき「公告」とは? 具体的な手続きについても解説!

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宗教法人が行うべき「公告」とは? 具体的な手続きについても解説!

宗教法人が不動産を売却したり、多額の借り入れをしたりする際、代表役員や責任役員会だけの判断で密かに計画を進めることは法律で禁じられています。

宗教法人法第23条では、法人が「重要な財産処分等」を行うにあたって、信者やその他の利害関係人に対して、事前にその内容を知らせる「公告」を行うことを義務付けています。

今回は、どのような場合に公告が必要になるのか、具体的な手続きの流れ、そして公告を怠った場合のリスクについて詳しく解説します。

公告の目的とは何か

宗教法人の財産は、信者からのお布施や寄付によって形成されているという特殊性を持っています。

そのため、法人の根本的な運営に関わるような重要な財産の処分が、一部の役員の独断で行われると、信者の不信感を招き、法人の存立基盤を大きく揺るがしかねません。

そこで宗教法人法は、信者や利害関係人の利益を保護し、財産処分の透明性を確保することを目的に、事前公告を厳格に義務付けているのです。

公告が必要となる5つの行為(財産処分等)

宗教法人法第23条において、公告の対象とされているのはおもに以下の5つの行為です。

該当する行為 実務上の具体例
不動産または財産目録に掲げる宝物の処分、担保提供 境内地・境内建物の売却、譲渡、宅地への定期借地権設定、銀行融資のための抵当権設定
借入または保証 本堂修繕のための長期ローンの借入、関連組織への債務保証(※当期収入で償還する一時借入は除く)
主要な境内建物の新築・改築・増築・移築・除却等 本堂や庫裏、教会の礼拝堂の新築、老朽化した建物の解体、大規模な模様替え
境内地の著しい模様替え 境内地の一部を大規模に造成して霊園・墓地へ変更する行為、山林の切り崩し
主要な境内建物の用途の変更 これまで礼拝等に使っていた建物を、外部への貸しビルや福祉施設へ用途変更する行為

公告の手続き方法と期間

図表タイトル

pixelcat / PIXTA

公告の提示は、人目に付きやすい場所に掲示するようにしましょう。公告を行うにあたっては、「いつ」「どのような方法で」行うかが重要になります。

また、複写したものを保管し、証拠資料として残しておきましょう。

公告のタイミングと期間

公告は、財産処分等を行う1ヶ月前に開始する必要があります。提示する期間については、各法人の「規則」に従いましょう。

公告の初日及び最終日は、一日中でない限り、期間に算入されない点には注意が必要です。これにより、信者や利害関係人が計画を知り、必要に応じて意見を述べるための期間が確保されます。

公告の方法

具体的な公告の方法は、普通法人においての定款にあたる「規則」に定められています

例えば、境内の掲示板への掲示や機関紙や会報への掲載、日刊新聞紙への掲載といった方法があります。自法人の規則を確認し、規定通りの方法で実施しなければ有効な公告とはみなされませんので、注意が必要です。

「何を、いくらで、誰に売却するのか」「借入の目的と金額はいくらか」など、行為の具体的な内容を明確に記載する必要があります。

以下に見本を掲載しますので、作成の参考になさってください。

財産処分公告

公告を怠った場合

もし、公告手続を怠ったり、期間が不足した状態で不動産の売却や担保設定を行ったりした場合、その処分行為が法律上、原則として無効となります。

ただし、処分行為の相手方が法人の必要手続きを怠っていたことを知らなかった場合、例外的に有効なものとされます。

また、宗教法人法第88条3号に基づき、10万円以下の過料処分を受ける可能性もありますので、宗教法人が財産処分を行う場合は、公告手続をしっかりと行うことが必要です。

おわりに

宗教法人が所有する財産は、法人の存続と活動の基盤となる大切なものです。
だからこそ、不動産の売却や借入、大規模な工事などを行う際は、宗教法人法第23条および各法人の「規則」を遵守し、余裕をもったスケジュールで適正に公告手続きを進めることが求められます。

後日、公告を見ていないと指摘されるトラブルを防ぐためには、下記の用意が必要です。

  1. 掲示板の場所がわかるように、法人の入り口(門)から掲示板方向の写真を撮る
  2. 掲示板に記載してある「公告」の写真を撮る
  3. 掲示板に記載してある「公告」を見ている方の後ろ姿から写真を撮る

また、原則、信者代表者3名から「公告確認証明書」を作成し、「住所・氏名」の署名を頂くことも事実上非常に重要です。

手続きに少しでも不安がある場合、早めに所轄庁に相談し、確実な法人運営を心がけてください。

税法上の手続きについては、辻・本郷 税理士法人の公益法人部へお問い合わせください。

執筆担当: 新宿ミライナタワー事務所 公益法人部 佐久間 要丞

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